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2019-10

官僚主義社会について(3) (逝きし世の面影さんへの応答)

逝きし世の面影様、コメントへの返信エントリーになります。
エントリーとして上げたのは、自分の官僚主義社会に対するスタンスを明らかにしたい故でもあります。

まず僕の理解では、メディアの官僚叩き・公務員バッシングは、官僚主義社会を維持して行く上では必ずしもマイナスにはなりません。
というのも、(1)(2)で考察してきたように、官僚主義社会(官僚が社会の権力の大部分を牛耳る社会)の肝は、(情報を独占して)法の立案に関わることで、裁量を最大限に発揮できる法を通すことにあるからです(それが司法にも影響を与える)が、逆に言えばこの一点さえ死守できれば、官僚は絶大な権限を保持することができるからです。

例えば、天下りバッシング。
僕は断言しますが、メディア総出の天下りバッシングによっては、天下りは「絶対に」なくなりません。
天下りは、上記の官僚の裁量によって、(特殊法人など)国の意向に左右されたり、許認可権が握られていることで、天下りを受け入れる側が受け入れざるを得ないような構造になっているからです(情報が握られていることも大きいでしょう)。

そして、天下りバッシングは容易に天下りする(した)役人への攻撃へと傾斜しがちであり、官僚主義社会の構造問題から人々の目を背ける役割しか果たさない(それゆえ、官僚主義社会を温存する効果を有する)と僕は思っています。
それゆえ、むしろ天下りなど、官僚・公務員バッシングとなるネタ元は、実は官僚である可能性すらあると僕は考えています(というより、現在の主要メディアの報道が、記者クラブという制度によってほとんど官報の役割しか果たしていない、という現実を踏まえれば官僚のリークの可能性大である)。
要するに、「下々の平民には、官僚叩き、公務員叩きで溜飲を下げてもらい、俺達(官僚)は権限を保持する」、と。
まあ、実態がどうなっているかは僕には知る由がありませんが。

そして、読者・視聴者側の事情から考えても、「官僚主義社会の構造問題」というやや小難しい話よりは、官僚叩き・公務員バッシングというネタの方が分かりやすいし、感情的にもスッキリする(繰り返しになりますが、それは却って官僚主義を温存する役割しか果たさない)。
こうして、報道の側(≒官僚の側)からも視聴者・読者の側からも、「官僚主義社会の構造問題」が追及されにくくなってしまう。
これに対する妙案が僕にあるわけではないのですが…
感情の相対化は必要かもしれない、と考えてはいるのですが。
ただ、現在の主要メディアはむしろ、読者・視聴者の感情を煽るようにしか機能していないわけで(煽る方が金になる)、メディアとは別の経路でメディアリテラシーを実践して行く必要があるだろうと思います。
ちょいと本題とはずれましたが。

で、逝きし世の面影様のコメントへ一部応答

>日本は欧米に比べて公務員数は三分の一から半分程度の少なさで、今一番問題になっている社会保険庁にしても国民全部の年金行政を1万人に一人の割合で一手に引き受けているが、色々の問題点(消えた年金)の最大の原因は人数の少なさですよ。
>一般公務員は最低でも今の二倍、アメリカ並みすれば失業問題は自動的に解決するし、キャリアの力(利権とか権限)をフランス並みにすれば天下り問題も即時に解決

これには僕も同意します。
ただ、このような建設的な議論が主要メディアではなかなかなされない(数字が取れないということと、官僚が報道させないという事情が関与しているのでしょう)。
したがって、このような公務員制度改革については、政治主導でやっていくしかないのでしょうが、少なくとも自公政権にできないことは小泉以降の8年間ですでに実証されていますね(むしろ、財務省の権益を徹底的に擁護してきた感があります)。

ちょっと本題とはズレるかも知れませんが、国鉄潰しは旧大蔵省の意向ではないでしょうか?
既に自動車社会に移行し、赤字垂れ流しの国鉄を維持する理由がなくなった(お荷物は早めに整理したい)。組合もウザいし。国交省にしても、道路利権の方がおいしいように思われますし。
ま、この辺りはあまり根拠があるわけでもありませんが。

取り敢えずはここまでとします。

コメント

本題とはズレるかも知れませんが

国鉄潰しは旧大蔵省の意向ではないでしょう。
あれは中曽根康弘の弁では国労つぶしが目的とか。
しかしそれも多分嘘です。
国鉄解体は20年前から始まる『新自由主義』による日本改革(改造)、規制緩和、民営化、小さな政府、などにのグローバル資本主義の最初の成功例でしょうね。
国鉄つぶしの目的は、日本国の改造(解体)です。
あれから徐々に日本はアメリカとよく似た国に、根本的に作り変えられていく。
中曽根民活(改革)から橋本竜太郎の行政改革、小泉純一郎の構造改革へと日本の改造は進み、現在の末期的な悲惨な事態に至っています。
当時の日本の国鉄は、多分世界的に見ても優良企業で、世界から見たら例外的に旅客部門で黒字だった。
今の旅客部門だけを切り離したJRが黒字になるのは当たり前です。
巨大赤字の原因は、ご存知でしょうが全く政治的なもので無駄な箱物行政で破綻した夕張市と同じです。夕張は国の指導のもと巨大公共事業、箱物ヅクリに励んでいた。
国(自民党)によって採算を度外視した公共事業を、国鉄の名でやらされていた。
これでは赤字になって当たり前。
しかも国鉄解体以後に債務は5割も膨らんでいるんですよ。全くのペテンです。
民営化により貴重な国民財産は食い物にされる。
赤字路線廃止でインフラが破壊され、地方の過疎化は急激に進んでいます。
しかも民営化による弊害で、公共交通機関として最も大事である安全性は疎かになり、信楽事故や尼崎事故のような、国鉄当時なら絶対にありえない巨大事故が続発し多くの命が失われる。
国鉄解体の原因ですが、巨大な債務(借金)が問題だったわけではない。
どんな国家でも会社でも個人でも、債務が問題なのは事実ですが、債務だけが問題ではなく、同時に持っているいる債権との兼ね合いで問題になってくる。
誰でも、借金と貯金と両方持っているわけです。
プラスマイナス差し引きどれぐらいになるのかが問題になって来る筈です。
橋本竜太郎が国債等の巨大赤字を理由に行政改革の必要性を言い出したが当時の日本国は莫大な債権や資産を保有していて、『巨大赤字』の言い分は全くの大嘘だった。
しかも改革を進めるほどに、話とは逆に債務は何倍にも増え続け今では800兆円にもなる。
10年目前の国鉄解体時の嘘と全く瓜二つ。
人は一度でも、悪い事でも成功すると、まったく同じ愚かしい間違い事を繰り返すものです。

天下りバッシングは何かを隠蔽する目的?

公務員制度の一番の弊害で有るかのように宣伝されている「天下りバッシング」はインチキ臭い。
ご指摘の『メディア総出の天下りバッシングによっては、天下りは「絶対に」なくなりません。』は正しい考えです。
付け加えれば、今のマスコミの報道のいかがわしい点は『天下り』が日本の公務員制度の特徴であるかのように誤解するように宣伝していて、『官から民へ』の流を加速する方向に動いている。
しかし天下り問題は、実は公務員制度とは本来関係なく、日本では民間にも広く存在しています。
多分民間の方がひどいでしょう。
巨大企業が下請けの系列会社に、自分の要らなくなった幹部社員を顧問などの名目で管理職待遇で天下りさせるわけです。
別に『天下り』に何かの仕事が有るわけではないのですが、受け入れる企業は力関係上断わる訳にも行かず、何もしない天下り幹部に対して高い給与を支払っているのが現状です。
『天下り』は官か民かに関係なく、日本では力関係が対等でないもの同士の間では普通に行われる悪しき慣例ですね。(会社の役員全員が天下りなんて例も)
しかも民間同士の天下り問題は、みんなが知っているが誰も指摘できない。

キャリア官僚の『天下り』以上に問題なのは、誰も指摘しないキャリア官僚の政界入り『天上がり。?』ではないでしょうか。
政治の世界の劣化が言われて久しく、麻生太郎や小泉、安倍、福田など二世三世の世襲議員のお粗末さは目覆うばかりのひどさ。
自民党などの保守政治家の供給源は、外国のように地方政治家や政党からの叩き上げは野中広務や竹下登など極少数で多くは世襲議員だとされているが最大の供給源はキャリア官僚からの『天上がり』組みです。
しかも後藤田元官房長官のように。その他の出身者よりも優秀ときているから始末に悪い。
建前上は公務員は全員『公正で公平で不偏不党。全体の奉仕者』で、そのために政治活動は制限されている。
これを拡大解釈して権力も権限も無い一般公務員が、休みの日に政治的なビラを配っただけでも逮捕拘留されるなんて事も起こっているが、これとは違い強大な『権力』を保有しているトップのキャリア官僚たちは例外とされていて、これ等の一番美味しい『天下り先』は政界への『天上がり』でしょう。
キャリアの天下り問題なんかは小さい事柄で最大の弊害は政(自民党)と官(キャリア官僚)の癒着構造で、これでは今のように官僚や役所にとって美味しい法律が出来るのは当然でしょう。
そして政界(自民党)とキャリア官僚との癒着構造に対する規制も監視も好い加減、日本では今のとこと全く無い野放し状態で、其の為にquine10さんがご指摘の色々なトンデモナイ弊害が起こっている。

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