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2010-10

排外主義と小沢バッシング

排外主義を憂える言説を時折見かける。
主にサヨクと呼ばれる人々が憂える(排外主義を憂える人々をサヨクと呼ぶ、と言った方がベターか)。


排外主義は人種差別(レイシズム)と一体化し、ナチス的なものに結び付く。
ここ最近では、在特会という(やや滑稽な)団体の行動が排外主義的なものとして(主にサヨクの側から)糾弾される。
そのような行動が批判されるのは至極当然と言えましょう。
まぁ、誤解を承知で言えば、「排外主義批判は絶対的正義に基づいている」、と言ってもよいかもしれません。
その意味で言えば、排外主義批判は、実に安直で安易で、批判的思考をほとんど要しない(つまり、思考停止なまま行えるし、思考停止な排外主義は、さらなる思考停止をもたらす)。


もしも思考停止に陥りたくないのであれば、私たちが考えるべきは、一体なぜ「排外主義」的な動きが社会に生じてくるのか?、ということでありましょう(排外主義を無条件な悪と考える人は、そこを考えようとはしないでしょうが)。
そこを考えることなく、単に「排外主義」だから、ということで特定の運動をバッシングするとすれば…
それは単に、絶対的な正義に依拠した、思考停止的行動に過ぎません。
それが悪いということではないですが、それをエラっそうに語ったところで、「私、思考停止ゆえ、このような絶対的正義に依拠することしかできません」、とアホ面さらしているだけでございます。


さて、尖閣問題をきっかけに(?)起こった中国の反日デモについて、一部の愛国者(?)の論調として、「あれは国内政治の不満を海外に向けるためのものだ(国内政治の不安定さを露呈しいているだけだ)」風のものがあります。
あ、別にこのような見方を批判しようとしているわけではありません。
しかし、この手の見方をする人たちは、日本国の排外主義的な動き(在特会に見られるような)が、国内政治(日本国内の問題)と全く無関係だとでも思っているのだろうか?
つまり、日々の生活に充足し、何の不満も持っていない人々が、在特会のようなヒステリックな排外主義運動を行うとでも思っているのでしょうか?


排外主義に限らず、特定の人物、団体、国家、人種etcを悪者として断罪する報道は、人々が日々の生活でため込んだ鬱屈を吐き出す効果を持つ(そのような効果を期待されての報道ではないかもしれないが)。
それゆえ、人々はそのような報道を欲し、視聴率を稼ぐこと(による広告収入増)を目論むメディアは、そのような大衆の庶民感情(悪者を叩きたい)に応える動機を有する。
排外主義は、その感情が「外」に向けられる結果、「外/内」という区別を自覚させる効果を持ちます(国粋主義、愛国主義はそのような効果がもたらすものでしょう)。


こうして、メディアの(排外主義を含めた)「悪者叩き」的な報道は、構造的であることが分かる。
そして、そこには、市民が日々抱える問題(に対する不満)が関わっていることもほぼ必然であろう。
市民が日々抱える不満を少しずつでも解消するのが政治の仕事だとすれば、そのような「悪者叩き」的な報道(排外主義的なものも含まれる)にもまた、国内政治が関わっていると言えよう。


さて、このようなメディア報道の構造を前提とすれば、さらに日本社会のメディア問題(権力とメディアの一体化を可能にする記者クラブ制度)を前提にすれば、権力は自分たちの都合の悪いことから目をそらすために、あるいは自分たちにとって都合の悪い人物を葬り去るために、実に簡単に世論を操作できることがわかる。


権力にとって都合の悪いことが起きれば、排外主義的な動きを煽ったり(そのターゲットは主に中国、北朝鮮)、特定の人物をバッシングすることで、国民の目を権力にとって都合の悪いことから目をそらせる。
あるいは、権力にとって都合の悪い人物を、大手メディアにバッシングさせることで、その報道を目にする国民に「その人物=悪」という感情を植え付けることができる(その結果、政治的権力を有する人物であっても失脚させることができる)。
このようなメディアコントロールはスピンコントロールと呼ばれる。
小沢氏や鈴木宗男氏のバッシングは、特捜検察とメディアが一体化した、明白なスピンコントロールの一例である。


僕の考えでは、排外主義が悪いのは、そのようなスピンコントロールの結果ゆえ、であって(いかに醜悪に見えようとも)排外主義そのものではない。
したがって排外主義が悪であれば、特定の人物のバッシング(小沢バッシング)もまた同様に(スピンコントロールゆえに)悪い、ということになる。


小沢氏の告発には、在特会的な「市民団体」が関わっているらしいですが(ネット情報)、それは上記の論を傍証するものと言えるでしょう(つまり、その裏には、権力が関わっている疑いが濃厚である)。



ということで、一方で排外主義的な動きを憂いつつ、小沢バッシングに加担したり、あるいは検察や警察の捜査のでたらめさが白日のもとにさらされつつある今になっても尚、「ミラーマン」というメディア発の別称を使い続ける人間がいるとしたら…


俺、正義の味方ぶって排外主義を糾弾するけれど、権力のスピンコントロールに思いっきり洗脳されているぜ!」と自分の思考停止っぷりをエラっそうに晒しているだけの可能性が十二分にあります…
そういう人に注意する必要はありませんが(ヒステリックに反応するに決まっているので)、反面教師として、自分はそうならないように注意しましょう。


えっと、特定の人物のことが念頭にありますが、特にその人物をバッシングする意図はありませんので、ここでその人物を公表することは控えます。
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