取り調べ可視化 森法務大臣の会見から
あ、こちらのエントリーで書き起こした、足利事件をめぐっての森法務大臣の会見ですけどね。
先日村野瀬玲奈の秘書課広報室さんをフラッと訪ねてみました。で、足利事件と飯塚事件から何を学ぶかでこれからの日本の裁判制度の質が決まる。 (裁判員制度、大丈夫とは言えない気がします... (18))というエントリーを読んだんですよね。
ええ、見つけましたよ、法務大臣閣議後記者会見の概要というリンクをね。
思わず、「俺の30分を返せ!」と心の中で叫んじゃいました。
このまま何もしないのも悔しいので、逐語ツッコミをしちゃいます(あっ、愚樵さんの偏向報道というエントリーのパクリでございます)。
取り調べの可視化について 足利事件の教訓で述べたこととはできるだけ重複しないようにしてと。
では、ツッコミ前に、森法務大臣の会見での発言(僕が書き起こしたもの)を再掲(注は略しています)。なお、上記リンク先とは若干異なります。
記者 ――菅家さん自身、やってもいない自白をしたと、そういう可能性も強まることになります。えー、供述を引き出す過程という意味でですね、現在可視化の法案も提出されていますけれども、こういった可視化との関連でですね、お考えというのはありますでしょうか。
森法務大臣 ――そこにおいてですね、被疑者の取調べの全面的な録音・録画を義務付けることについては、被疑者に供述を躊躇わせるとなるとともに、関係者のプライバシーに関わることを、お出しすることが困難になり、あの…(言いよどみあり)、取調べの機能を損ない、真相解明に支障をきたすというような重大な問題があると考えております。(中略?)各国においても、例えばあの、免責ですとか、司法取引、あるいはあの広範な通信傍受ですかとか、そういった様々なですね、捜査手段が組み合わせで、その、捜査が行われているわけでございまして、やはりそういった、その、捜査手段のですね、総合的な検討の中で、検討すべきことだろうという風に思っております。現時点においては、なかなか、あの、私どもとしては、容認する方向の検討というのはしにくい、というのは事実であります。
では、逐語ツッコミ開始。
被疑者に供述を躊躇わせる
はぁ?可視化があろうとなかろうと、供述をすれば、それが証拠となって裁判所に提出されるんじゃい!密室での取り調べによる供述が証拠採用されない、という条件のもとで初めて、可視化が供述を躊躇わせる根拠になるんだよ(で、その条件が満たされていない以上、上記の言い分は却下)。
関係者のプライバシーに関わることを、お出しすることが困難になり
関係者のプライバシーを含めてあることないこと散々リークしまくって(印象操作をして)おいて、何を今さら?
今まで(プライバシーに関わる情報を含め)守秘義務違反をした取調官を、一度でも処罰したことがあるのか?
関係者のプライバシーって、まさか検察のプライバシーとか言わないよね?
公人には公務に関わること(検察の取り調べ)に関してプライバシーはない、ってこと知らないとか言わないよね?
取調べの機能を損ない
密室のみが有する機能って、「悪いことをしてもバレない」以外に何があるの?
各国においても……免責ですとか、司法取引、あるいはあの広範な通信傍受ですかとか、……捜査手段が組み合わせで、捜査が行われているわけでございまして、……捜査手段のですね、総合的な検討の中で、検討すべきことだろうという風に思っております。
関係ないじゃん!
冤罪という人権侵害(権力犯罪)の温床となる密室での取り調べをどうするかという問題と、検察の捜査手段が限られている(からもっと権限をよこせ)という問題は、全く別問題じゃん!
今の質問は、足利事件(by wikipedia)や富山事件や宇和島事件(by wikipedia)などの、虚偽の自白を強要する密室での取り調べをどうするか、という問題じゃん!
あっ、御殿場事件もその可能性が濃厚…っていうか、推定無罪原則に則って、物証皆無のこの事件に有罪判決が出せる裁判って何?(それでも僕らはやってない参考)。
というか、この程度のツッコミすらできない記者って何なんだ?
あと、法相が「捜査手段が限られている」とおっしゃる日本の刑事裁判の有罪率は99・9%ですね。
おとり捜査や盗聴や司法取引がバンバンやられてるアメリカですら、有罪率70%程度ですけど?
自称「捜査手段が限られて無力な日本の警察・検察」の有罪率が、莫大な権限を有するアメリカより遥かに高いってどういうこと?
おとり捜査や盗聴や司法取引よりもさらに絶大な権限(って拷問くらいしか思いつかんが)が、密室での取り調べにあるということかな?
それとも、アメリカのような腐敗して無能な警察・検察に比べて、日本の警察・検察が有能だと言いたいのかな?(莫大な権限を有するアメリカの有罪率70%<<権限が限られている日本の有罪率99.9%)
それとも、検察は無能だが、密室という違法行為をしてもバレない空間と、訴状通りに有罪判決を出してくれる裁判所のおかげで、その無能さがバレずに済んでいる、と言いたいのかな?
プロなら、これくらいはツッコンで欲しいけど…(こんなこと聞いたら出禁かな、東京新聞のように)
以上で逐語ツッコミは終わりです。
あと、取り調べ可視化に関しては、新党大地の鈴木宗男氏による質問も必見でしょう。
ムネオ日記の2009年6月11日の日記を参照。
衆議院テレビはコチラから。
この委員会での森法務大臣の答弁もツッコミどころ満載です。
皆さんも是非、ツッコミを入れてみてください。




