2009-06

信頼のパラドクス(1) リベラリズムと信頼

えー、つい先日自由主義のパラドクス 民主主義のパラドクスというエントリーをアップしました。
本エントリーは、その延長上にあります。
なお、信頼については、「信頼」と「信用」でも触れておりますので、よろしければご参考に。

えー、信用と信頼は、オーバーラップした意味を持ちつつも、明瞭に異なる(と僕は思っている)。
詳細については、「信頼」と「信用」エントリーを参照していただくとして。
ここでは、詳細は思いっきり端折って結論的なことを言うと、信頼の肝は自発性だと思っている。
自発性というだけでは誤解を招く恐れがありそうなので、さらにいうと受動性ということになる(あくまで、僕の考えですが)。

まず、自発性ということですが、これは「自分の意志で」という意味ではありません
むしろ、自ずからという意味に近い。
つまり、この場合の自発性とは、(信頼という感情が)自然に湧き上がってくる、というイメージですね。
言い換えれば、信頼は自分の意志でどうこうできるものではない、という意味で受動的である(つまり、信頼という感情は、自分の意志を超えたところからやってくる、というイメージですね)。

ということで、信頼のキーワードは自発性と受動性になります。
信頼には実際には根拠がありません(これは信用も同様でしょうが)。
もちろん、「あの人をどうしてそんなに信頼できるの?」という問いに対して、「これこれこうだから」と答えることは可能です。
しかし、それは言ってみれば後知恵バイアス(→参考エントリー)であって、時系列的には、まず信頼が成立して、「これこれこうだから」という理由を思いつくという順番だろう。
その意味で、信頼(という感情)は恋愛(感情)に似ている。
つまり、まず「好きになる(恋に落ちる)」ということが先行して、「これこれこうだからこの人を好きになったのだ」と納得する。
えっ?恋愛論などと似合わないことをするな?
信頼という経験と恋愛の相同性を提示することによって、信頼のイメージを持ちやすくすることを狙っているだけでありまして、別に僕の恋愛論を得意げに……(以下略)

とゆーことで、根拠や証拠を超えたところに信頼(という感情)は成立する。


ここで話は大きく変わるが、僕自身は社会は信頼によって成り立つ社会が望ましいと思う。
そして、リベラルな社会はそのような社会だと言えるだろう(それゆえに僕はリベラリストなのかもしれない)。
簡単に述べますと、リベラリズムとは人々の自発性とか自律性を重視する思想・政治的立場でありました。
したがって、リベラリズムの根底には個人に対する信頼があることになるでしょう。
というのも、「自発的に行為したとしても(あるいは行為するがゆえに)、人はそれほど酷いことはしないだろう」という個人に対する信頼がなければ、つまり「人は放って置けばロクでもないことばかりする」という不信しかなければ、自発性や自律性を重んじようとは思わないだろうからだ。

逆に言えば、自由を軽視する人々は(この日本にはウンザリするほどいらっしゃいますが)、人に対する信頼を絶望的に欠如させている、ある意味では可哀相な人々なのです(大きなお世話でしょうが)。
もちろん、他者を信頼できない人に同情するからと言って(僕っていい人?)、自由を蔑ろには決してできませんが…

さて、ここで一旦まとめます。
人々の自発性とか自律性を重視するリベラルな社会とは、信頼によって成り立つ社会でありました。
逆に言えば、人々を信頼しない、つまり人々に対する不信(やそれが引き起こす不安)によって成立する社会は、自発性や自律性を蔑ろにする社会ということになります。
自発性や自律性を蔑ろにする社会とは、個人の意志とは無関係に、個人に特定の価値観や行為を強要する、きわめて統制色の強い、もっと言えば全体主義的社会ということになります。

えー、どこかにありましたね、愛国心なるものを人々に強要しようとしている愚かな国が。
そのような愚かな国が行き着く先は統制国家、つまりは北朝鮮のような国家になります(ま、戦前の日本も似たようなものでしたが、というかもっと酷い?)。

ということで、僕がなぜリベラリストなのか、ということがご理解いただけたかと思います。
えっ?理解できない?
そんなあなたはファシストの資質十分です。

ということで、本題(信頼のパラドクス)には至りませんでしたが、次で一応まとめのつもりです。

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